足のむくみは季節を問わず多い悩みです。
足のだる重感だけでなく女性にとっては見た目も気になるところですね。
むくみの原因は体内の余分な水分や老廃物です。体内には血管とリンパ管というふたつの循環器が備わっています。どちらも体内をめぐり不要となったものを集める仕事をします。静脈が回収しきれなかった老廃物や余分な水分をリンパが回収するという関係にあります。
リンパは下水道、リンパ節は排水口と例えられるようにリンパの流れが滞ったりすると下水道がつまった状態で心臓から遠い足は老廃物が溜まりむくんでしまいます。また、次のように季節とも深い関係があります。
夏期
水分の取りすぎで体内に水分が過剰にたまってしまう。反対に水分摂取の不足で汗や尿が出
にくくなり水分がたまってしまう。冷房や冷たい食品の取りすぎによる冷えで血液循環が悪
くなり老廃物の回収に支障が出てむくみになってしまう。といった原因があげられます。
冬期
寒さから冷えが原因で血液循環が悪くなり老廃物が回収されず水分が溜まりむくんでしまい
ます。
梅雨期
湿度が高いと汗が皮膚の表面から蒸発しにくくなります。その結果、汗をかきにくくなり水
分を身体に溜め込んでしまいます。
また、不安定な気圧による原因もあります。
気圧の変化は自律神経を不安定にさせ血の巡りも悪くなります。そのため余分な水分が排出
されにくく、むくみとなります。
その他
月経周期 月経前1週間によるホルモンの影響でおこるむくみ。
生活習慣
・塩分の取りすぎは余分な塩分を中和するために体内に水分を溜め込んでしまいます。
・仕事が多忙でなかなトイレにいけなかったりする排泄機能の低下からおこるむくみ。
※むくみは重篤な病気のサインとなって現れている時もあります。
むくみが酷い場合や長引く場合は医療機関に相談されることをおすすめします。
むくみを解消するためには 水はけの良い身体を作ること!
・汗をかく習慣をつける 半身浴は心臓への負担も軽くじんわり汗がでます。
・適度な運動をする 特に第二の心臓と言われるふくらはぎを動かすことで筋肉の動きによ
って下肢に溜まったリンパの流れを助けます。
・利尿作用がある食品をとる 緑茶・コーヒー・アサリ・ワカメ・スイカ
・カリウムを含んだ食品をとる 代表的な食品はバナナ・ブロッコリー・アボガドなどがあ
ります。カリウムには体内の余分な水分を排出する働きがあります。
・マッサージでリンパを流す 身体の先端から中央に向かって優しくながします。
お風呂上がりが効果的です。
・就寝時に足を高くする 10cmほどの高さが良いとされています。足に溜まった水分を寝て
いる間に心臓のほうへもどします。
リンパを流すとはどういったことでしょう?
血液循環は心臓がポンプの役割をし流れますが、
リンパは筋肉の動きなどに促されゆっくり流れます。
体内の老廃物は静脈によって回収されますが、静脈が回収できなかった老廃物や余分な水分
はリンパ管に取り込まれ最後はふたたび静脈に取り込まれ尿として体外へ排出されます。
運動不足などでリンパの流れが滞ったことで溜まった老廃物や余分な水分の巡りがスムーズ
に流れるように手で軽擦して助けてあげることを一般にリンパを流すといいます。
リンパマッサージというとよくグイグイと圧力をかけるマッサージと思われがちですが、リ
ンパ管の70%は身体の表層近くを流れているので軽い圧力で十分です。皮膚表面のリンパは
子供を優しく撫でるほどの圧で十分流れます。
1.まずはじめにリンパ節をほぐします。
リンパ管の途中にはリンパ節といういくつかの節があります。
リンパ節ではリンパ液に含まれる細菌や異物を除去する働きをします。
このリンパ節がつまっていると流したリンパ液はそこで滞ってしまいます。
つまった排水口を綺麗にするイメージです。最終的にはいちばん大きな排水口といわれ
ている鎖骨下のリンパから静脈へ合流して排泄されます。
鎖骨下リンパ節(鎖骨の内側)鼠径部リンパ節(太腿の付け根あたり)膝窩リンパ節(膝
裏)の順に指で数回軽くプッシュしつまりを開放します。鎖骨下リンパ節のつまりは顔のむ
くみの原因にもなります。
2.先端から各リンパ節に向かって流す。
①床に座り片足を膝から曲げもう片方の足の太腿にのせ両手で足裏を押します。
②足の甲もまんべんなく押します。指と指の間、指の付け根には冷えを解消するツボがあり
ます。(写真の赤い印はむくみに効くツボです)
③足指を一本ずつ引っ張り刺激します。
④立て膝をし足首から膝裏までふくらはぎを左右の手のひら全体を密着させ、撫でるように
交互に摩りあげます。リンパは皮膚の表層にあるので強い圧は必要ありません。
⑤同じように太腿内側、太腿外側を膝から足の付け根まで丁寧にさすります。
この時、手の滑りをよくすために植物オイルを使用してもよいでしょう。植物油に精油の有
効成分をブレンドするのも相乗効果が得られアロマセラピストとしては一番おすすめしたい
ところです。
むくみにおすすめの精油(アロマオイル)
ジュニパーベリー、レモングラス、サイプレス、ゼラニウム、キャロットシード
《主要なリンパ節》
・鎖骨(さこつ)リンパ 鎖骨のくぼみにあるリンパでリンパの最終出口。
・腋窩(えきか)リンパ 脇の下にあり乳がん検診にも関係する重要な場所。
・腹部(ふくぶ)リンパ 子宮、腸の働きや便秘などに関係する。
・鼠径(そけい)リンパ 足の付け根、股関節あたりにあり下半身のリンパが流れこむ重要
な場所。
・膝窩(しつか)リンパ 膝裏にあり静脈瘤や足首・ふくらはぎのむくみに深く関係する。
【注意】次のような時はリンパマッサージを避けてください。
・飲酒、飲食直後
・高熱があったり病気や体調が悪い時
・静脈瘤など血管系の疾患がある時
・皮膚疾患がある時
・骨折・脱臼など骨の異常がある時